



アーティスト : ワララ ティチャパリ
タイトル : ティンガリ
サイズ : 14.5 × 16cm
素材 : キャンバス
【アーティストについて】
ワララ・ティチャパリは、オーストラリア西部砂漠地帯出身のアボリジナル男性アーティストであり、「ラスト・ノマデド」として知られる ピンタビ・ナイン)の一員です。1984年に初めて西洋社会との接触を持った後、兄弟たちとともに芸術活動を始め、その作品は世界中のコレクターや美術館から高く評価されています。
ワララは、抽象的かつ幾何学的なパターンを用い、ピンタビ族に伝わるドリーミングや祖先の旅を視覚化しています。彼の作品には「祖先の足跡」「儀式の場」「水場」などが象徴的に描かれ、直線と矩形の連なりが独特のリズムと神秘性を生み出します。
【作品の魅力】
彼の代表的なモチーフには「ティンガリ・ドリーミング」があり、
これは祖先たちが旅をしながら土地に教えと儀式の知識を刻んだという壮大な神話に基づいています。キャンバスに広がるラインやブロック状の模様は、その旅のルートや儀式の場を地図のように表現しています。
また、彼の作品には時間を超えた記憶と、大地との一体感が宿っており、観る者に“内なる静寂”と“根源的な力”を感じさせてくれます。彼と過ごした日々の記憶も、作品に込められたその優しさと強さの中にそっと重なります。
【空間への効果】
ワララのアートは、空間に深みとスピリチュアルな緊張感を与えます。
直線と矩形で構成された力強い構図は、モダンな空間にも調和し、文化とアートの存在感を放ちます。静かでありながら、強烈な個性を放つ一枚です。